音楽雑文集


by yyra87gata

『氷の世界』  井上陽水

「ラジオで聞いて、とてもいい曲でした。どこまでも伸びるハリのある高音ヴォーカルに魅了されました。歌の内容も女性心理をついていて・・・。でもレコードジャケットを見てビックリしました。雷様みたいなヘアースタイルで、伏し目がちな目?えっ?これちゃんと開いているんですか?」
「デビューした時は、アンドレ・カンドレなんて名前だったんですよね。で、歌っている歌がカンドレ・マンドレ?何じゃこりゃ、って感じ。でも再デビューして、名前を変えて正解でしたね。」
「ファーストアルバムは階段に座っていて、遠目ではよくわからなかったんですよ。セカンドアルバムは土手かなんかを歩いていて、下から子供に石を投げられているんですよね。そんでもってこのアルバム。楽屋かなんかでギターの練習でもしているんでしょうか。白黒だから寒々としてて、まさにタイトルどおりですね。でも安上がりな写真ばっかりですね。ちなみに弾いてるギブソンも清志郎のものですし。」
「このアルバムが売れるまでは、苦しい生活だったらしいよ。小室等さんのところに下宿してて、そっとおかわりを出していたんだって。そうそう、RCサクセションの前座もやってたんだって。だけど、このアルバムが大ヒットしたら、前座が逆になっちゃったらしいよ。でも清志郎とはずっと仲良しで、お互いのアパートを行き来して、曲を作ってたんだってさ。このアルバムに入っている「帰れない二人」と「待ちぼうけ」って曲は2人で作ったんだよ。だから、RCって全然売れなくても、このアルバムが売れたおかげで清志郎は食いつないでいられたんだってさ。2曲でもすごい印税だったらしいよ。」
「そうそう、日本で一番最初に100万枚を超えたアルバムなんだよね。ミリオンセラーってやつ。1年半もチャートインして、何回も何回も1位になって、都合35週間1位だったんだよ。当時は1万枚でもヒット、10万枚なんていったら大ヒットだったんだって。それが最終的には131.4万枚だよ。人生狂うよね。」
「まだこの頃の詞はストレートな表現が多くて、フォークソングって感じがいいですな。最近の陽水は言葉に溺れちゃってて、何を言ってんだかさっぱりわかんないことがあるんですわ。」
「星勝のアレンジが光っているアルバムだ。モップスなんて全然売れなくなってきちゃったから、ヒロミツはタレントになっちゃったし。星は彼に付いて、アレンジャーとして成功してよかったよ。」
「そういえば、高中正義はベースとギター両方で参加してるんだぜ。やつがベース弾くとギターみたいにブインブインとランニングして、落ち着かない時もあるよ。」
「拓郎は相当あせったらしいわよ。レコードセールスで抜かれちゃったから、当然、長者番付でもひっくり返されて。ましてや金沢の方で事件も起こしちゃったから、世間的にも評判悪くなっちゃって・・・。」
「拓郎は、そういうどん底の時に森進一と組んで「襟裳岬」出したんだよね。あれよあれよという間にレコード大賞だもんね。あん時、ジージャンとジーパンで授賞式に出たんだよ。うちのばあちゃんが「行儀悪い」って言ってたっけ。」
「そうそう、拓郎はこのアルバムをすごく意識してさ、すぐに『今はまだ人生を語らず』を制作したんだよな。必死だったらしいよ。」
「でも、このアルバムはいいよね。売れるわけだよ。捨てる曲が無いもんね。たまに聞くと中学生のあの頃に還れるよ。」
「弾き語りしたくなる曲ばっかり入っているのです。個人的には「桜三月散歩道」の台詞が好きなんですけど。」
「マニアだね~。」
以上、『氷の世界』(井上陽水)に関する街の声でした。


2005年6月20日
花形



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by yyra87gata | 2012-12-14 15:39 | アルバムレビュー | Comments(0)