音楽雑文集


by yyra87gata

海賊盤について

 
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 皆さんは、コンサートに行って隠し録りをしたことがあるだろうか。隠し録りだから、当然違法なわけで、あまり声を大にして言えるものではないのだが、僕はこれが大好きだった。
コンサートに行く時は、必ずカセットレコーダーを忍ばせて、観覧したものだ。ウォークマンなど存在しない時代などは、かなり大き目のカセットレコーダーをカバンの底に敷き、入口のチェックを何度も潜り抜けた。あのドキドキ感はたまらなかった。

 昔のカセットレコーダーには、オートリバースなんてものは無いので、時間を見計らってごそごそとカバンに手を突っ込み、カセットを反転させる。これを間違えると、早い時間で反転してしまい、中途半端な場所で録音され、途中でテープが終わってしまったり・・・。暗闇なのでプレイボタンを押してしまい、全然録音されていなかったり・・・。逆に録音していることを忘れ、興奮してアーティストと一緒に歌ってしまい、後で聞いたら自分の声が一番大きく録音されていたり・・・。いろいろと失敗はあった。
 失敗はあったが生録テープは、アーティストのMCやアルバムと違ったアレンジなどが楽しめる。また、ライヴでしか演奏しない曲もあるので、後で聞き返すと意外な発見もあり、貴重品となった。
例えば、新曲としてライヴで発表された作品が後のアルバムに収録され、全然アレンジが変わっていたなんてことがあると、そのテープはお宝になる。マニアックなファン心理をくすぐるものだ。

 そこに問題が生じることもある。生録テープは海賊盤として市場に出回ることが多々あるからだ。
現在はCDだが、一昔前は、アナログ盤でれっきとした海賊盤(?)が存在した。
特に、ボブ・ディラン、レッド・ツェッペリン、ディープ・パープルが海賊盤の王者で、様々なライヴやリハーサルの音源が紹介された。
 僕も西新宿に点在した海賊盤ショップによく立ち寄ったものだが、あきれるほどのラインアップに驚いた記憶がある。
例えば、クラプトンが来日したら、コンサートの翌日の夜には海賊盤屋に前日の公演が並ぶ、という状況なのだ。

 僕は海賊盤については、かなり寛容な考え方を持っている。もちろん違法とわかっているが、そのアーティストのありのままのパフォーマンスを体験できるし、自分の観たコンサートの映像や音源が売られていたら、何か特別な思いが生じ、購入意欲も上がってしまう。一般的なファン心理という気もする。
普通、ライヴアルバムはミックスダウンの時に、ライヴ演奏のムラを隠すために新たに演奏を差し替えたり、特別なエフェクト処理を行なったりするものだ。一方、生録はありのままのプレイヤーの実力と素の状態の音響環境がダイレクトに聴こえるので、アーティスト側は丸裸にされる。会場の臨場感をとらえている好作品もあるが、アーティスト側はきちんと調整された作品でないと、拒絶反応を示すだろう。でもね、ファンはそんな素の部分が一番好きだったりするものなのだ。

 本番に弱いジミー・ペイジは来日時に西新宿に立寄り、自身の海賊盤を買占めて帰ったという逸話もあるくらいだ。
 でも、海賊盤はそんな素顔のアーティストに触れられる一つのメディアとして捉えたい。アーティストにとってはたまったものじゃないかもしれないが、熱狂的なファンの楽しみとして、大目に見てよ、という気がする。
 
 著作権の問題もあるので、アーティスト側に売上の何%かが入る仕組ができればいいのかね?そんな問題じゃないか・・・。やっぱり、個人的な楽しみでとどめておく方が良いかもしれないな。



2006年4月27日(木)
花形
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by yyra87gata | 2012-12-21 15:03 | 音楽コラム | Comments(0)