音楽雑文集


by yyra87gata

チューリップ解散コンサート

 財津さんはお別れの言葉を一言も発せずステージを降りました。他のメンバーも同様に笑顔で舞台袖に姿を消しました。
 誰もいなくなったステージでは、ライトアップされた楽器類が安堵の佇まいをみせておりました。
 チューリップは、1989年に最初の解散をしています。それから8年後の1997年に再結成され、2年に1回の割合で全国ツアーを行なっておりました。古い作品を新しいアレンジにしてアルバムを2枚発表し、今年は2年越しの制作期間を要した2枚組みのオリジナルアルバムを発表しました。ちょうどその頃、再び解散のニュースが流れました。
今度の解散の理由は、「体力的なもの」「青春の歌を歌っていくことはしんどい」などかなり具体的に財津さんの口から出てきたので、私はショックを受けました。
ミュージシャンという演者が自分の限界をはっきりと示したことについて、私はあまり記憶が無かったからです。スポーツ選手の引退会見なら、体力や気力の限界という言葉もよくある話ですが、音楽の世界でこの言葉を聞くとは思いませんでした。
 
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 そんな中、全国ツアーは始まり、24日の東京公演に行ってまいりました。
5人とも体力の限界なんて感じさせないパワフルなステージでありました。特にドラムの上田さんは前よりも技術的にもパワー的にも上手くなっている気がしましたし、財津さんのヴォーカルもよく出ており、これもまたパワフル。何でやめるの、といった感じであります。
 ステージ構成は70年代のチューリップの名曲をふんだんに揃え、第1期チューリップの王道を行くステージングでした。
たまに入る80年代の作品や新曲などがとても良いスパイスになり、観ているものを飽きさせません。また、5人が奏でるアンサンブルはよく練られた音の集合体で、これぞポップスと呼ぶにふさわしいものです。チューリップはフォークでもロックでもない、紛れも無いポップスのバンドなんだと改めて思いました。
 ステージは恒例の生ギターコーナーをはさみ、終盤はグイグイと観客をのせていきます。ヴォーカルが入れ替わり立ち代り、みんなが歌えるところもチューリップの強みでしょう。
 2度のアンコールのあと、5人はいつものようにステージ中央で挨拶を行い、舞台を去りました。
本当に解散・・・そんな言葉はひとつも無かったのです。
ホールを出る時、コンサートツアーのポスターに「最終章へ」という文字だけがそのことを認識させるものでした。
いつかどこかで・・・Someday Somewhere

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2007年9月24日
花形
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by yyra87gata | 2012-12-26 08:40 | コンサートレビュー | Comments(0)