音楽雑文集


by yyra87gata

小田和正コンサート2008を観て

 中学時代によく聞いていたラジオ。オフコースの歌はニッポン放送の日曜夜11時からオンエアしていた《全日空ミュージックスカイホリデー》でしか聴いたことが無かった。ヒットに恵まれていなかったが、特定の女性ファンに支えられていたオフコース。
当時のヒット曲という世界からは、かけ離れていた静かな男性デュオ。
私の心の片隅に記憶されていたグループのひとつに過ぎなかった。
その要因は詞の世界だった。小田の書く詞はあまりにも素直すぎて15歳の中学生が聴くには、気恥ずかしさを感じたのだ。それに増して、あの高い声で歌われたら、拓郎や泉谷を追いかけ、ツェッペリンだ、キッスだ、なんて言っている当時の私に残るはずもない。
もちろん、オフコースが嫌いだったわけではない。名曲がたくさんあることも知っていたが、優先順位の問題だった。
 時を経て、オフコースも解散し、小田がソロワークを始めたとき、偶然に聴いた小田の声。それは、オフコースの焼き直しアルバムを作っていた頃・・・。私は小田が嫌いになった。
オフコースの歌を何故アレンジし直すのか、と。
何気ない思い出の中に当時の歌は存在していて、その歌やフレーズを聴いたときに昔に戻れるあの感覚・・・。
『LOOKING BACK』というアルバムは、新しい小田の解釈で作られたオフコースの歌たちなのだろうが、私には理解できなかった。しかし、このことがあって、逆に小田和正のソロワークスに興味を持った。
私は小田和正を聴くようになった。そして、そこから小田和正の音楽に魅了されていった。
『個人主義』は最高のアルバムと確信しているし、『そうかな』もそれに匹敵するアルバムだと思っている。だから、3年前のコンサートで観た小田和正に素直に感動した。

 2005年秋に観た小田和正のコンサート。
元気な58歳だなぁという印象が残った。武道館のステージを走り回っていた。
あれから3年経った。

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 私は43歳だ。もう人生も折り返し地点を過ぎた。
だから、今回の小田和正のコンサートは非常に考えさせられた。なんていうのかなぁ。
あの優しい歌詞って・・・。
2008年6月19日 代々木第一体育館。小田和正のツアーを観覧(最近よく参戦という言葉を使う人がいるけど、何だろね、アレ。戦争じゃあるまいし・・・)した。
観覧した位置が丁度舞台の裏にあたり、歌詞がモニターではっきり見える位置だった。
だから余計に感じたのかもしれない。
小田和正の書く詞の妙。
私は家内と知り合ってもう26年になる43歳だが、普通に過ごしてきた家内との生活、彼女との出会いや昔の頃の思い出がとても素直な気持ちで体感できた・・・。
19日のコンサートで、歌詞のスクリーンを見ながらそんなことを思ってしまった。
小田和正を含め僕も人生の折り返し地点を過ぎている。

 今回、小田和正が最後に言った言葉
「こんなこと今まで言わなかったけれど、いつまで続けられるか。若い人たちはほっといても元気に生きていくでしょうが、僕と同じくらいか、僕より上のかたがたは、どうぞ、体を大切にして、いつかまた必ず会いましょう」

心に沁みた。

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2008年6月20日(金)
花形
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by yyra87gata | 2012-12-26 10:22 | コンサートレビュー | Comments(0)