音楽雑文集


by yyra87gata

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アンプラグドなレイラ

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 エリック・クラプトンのコンサートに行ったとしよう。
チケット価格は1万円を超え、一般人からすれば、中々手に入れ辛いチケットである。それでも何とか手に入れ、喜んで席に着く。
エリック・クラプトンを古くから応援し(この古くからというのが大事)、仕事とかで中々コンサートには行けなかったが、ようやく来ることができたという設定。初めての生のクラプトン!最高!ってな感じ。
クラプトンは颯爽と舞台に登場し、エレキギターを持ち演奏を始める。
今までレコードやCDでしか聞いたことがなかったクラプトンが目の前でプレイを始めた。
もうそれはそれは興奮状態になる。
そこにヤードバーズやクリームは観ることができないにしても、生のクラプトンが目の前で歌っているわけ。でもって、渋い顔してブルースかなんかを弾いて・・・。そんでもって「ワンダフルトゥナーイト・・・」なんて甘い声で歌われると一緒に行った彼女(奥様?)なんてしびれてしまう。良い雰囲気だ。

 クラプトンはエレキギターをアコースティックギターに持ち替えた。
「ティアーズ・イン・ヘブン」や「チェンジ・ザ・ワールド」といったヒット曲を演奏。ロバート・ジョンソンを彷彿とさせるトーキングブルースも披露。会場は大盛り上がり。ヤンヤヤンヤ。
そして、拍手が鳴り止まぬうちにマイナーコードのイントロから歌が始まる。そして歌いだす。

What'll you do when you get lonely And nobody's waiting by your side?

出た!「レイラ」だ! そしてこの言葉の後に続く心の言葉は「こっちかぁ~!」

クラプトンは淡々と切ない男の心情をアコースティック・ヴァージョンで歌い上げる。それは、もう演歌のノリ。

Layla, you've got me on my knees.

のLayla!は叫び歌い上げて欲しいのだが、アコースティック・ヴァージョンは「れいらぁ~っ」って下がってしまうわけ(文字にしても全然伝わらんな)。
会場に響くため息の数々。(いや、もちろんアンプラグドなレイラが好きな人もいると思うが・・・)

 『アンプラグド』(1992)から聴き始めたクラプトンファンならわからないでもないが、古くから聴いているファンの大半は来日公演の演奏であれば、ロックな「レイラ」に期待をかけているのではではないか。
もちろん『アンプラグド』はグラミー賞を総なめにした名盤であるから、古くからクラプトンを応援しているファンは再アレンジを施された「レイラ」を聴いて満足している人も多いだろう。もちろん好き嫌いの話になるので正解は無いが、たまに日本に来るクラプトンを観に行く往年のファンの大方はロックなレイラが聴きたいのではないか。
1990年代初頭から始まったアンプラグド・ブームに乗って、その時限りの企画モノであればまだ良かった。しかし、まさかこんなに長い期間演奏されていることに私は驚くばかり。

 コンサート会場は静かにレイラの演奏が終わった。
クラプトンはアコースティックギターからエレキギターに持ち替え再びビートのある演奏に戻る。
みんなの頭の中・・・こっちの演奏で「レイラ」も聴きたかったなぁ。アンコールでやってくれないかな? なんて。

 さて、この「レイラ」。
先ほども書いたが、音楽は嗜好品だから好き好きがあってしかるべきだが、この「レイラ」はそもそも、もとの曲が大ヒットしているので、そのヴァージョンに思い入れがある人も多いはず。クラプトン自身もアコースティック・ヴァージョンは歌いまわしも少々変えているので全然別物として捉えてられているというのが本音かもしれない。同じ歌でもビートが変われば解釈も変わる。
「若さ」でロックビートの中、叫び続ける。
「老練なおっさん」がゆったりしみじみと、呟く。
やっぱり違う歌だよ、これ。

 私も長いことクラプトンのコンサートを見てきているが、「レイラ」はアコースティックでやられるとガッカリする。そもそもアコースティックのクラプトンが好きじゃないというのもあるのだが(古いブルースカバーは良いかななんて思うときもあるが・・・)、レイラは違うだろって感じ。
だから、もし、アコースティック・ヴァーションを演奏するなら、ロックな「レイラ」も演奏してくれということだ。

あ、何で今更こんなこと書いているかって?
Youtubeでたまたまクラプトンがアコースティックのレイラを歌ってたから、思い出しちゃっただけなんだけどね。

2015年8月21日
花形
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by yyra87gata | 2015-08-21 10:58 | 音楽コラム | Comments(8)