『Run魂Run』 グループ魂
2012年 12月 17日
コミックバンド(死語)は、大まかに分けると“クレイジーキャッツ”“ザ・ドリフターズ”といったジャズ&ハワイアンバンドから派生したバンド・・・のちにみんなタレントになってしまった組。“ビジーフォー”“ダディ竹千代と東京おとぼけキャッツ”のようにスタジオミュージシャンが集まって小遣い稼ぎから始めた組。“米米クラブ”“TOPS”のようにライヴとパフォーマンスを併用した組に分けられる。そして例としてあげたバンドに共通して言えることは、裏付けられた演奏技術の持ち主で、しかもエンターテイメント性に富んでいるということだ。演奏技術が無いと、ただのお笑いになってしまうし、エンターテイメント性が無いとそもそもコミックバンドという図式が成り立たない(米米クラブをコミックバンドというのは強引かな?でも、デビューの頃は滅茶苦茶だったよ)。グループ魂はどの組に当てはまるのか・・・わからない・・・。ちなみに結成のきっかけは“玉川カルテット”をパンクでやってみたいということだそうだ。
グループ魂はデビュー盤(インディーズ)の『GROOPER』(1999)からぶっ飛んでいて、収録曲35曲、そのうちコントは半分以上。放送禁止用語連発のアブナイギャグのオンパレードである。
『RUN魂RUN』(2002)は、メジャーデビューのお馬鹿な歌の集まりだ。ロックにつきものの“叫び”と“エロ”をバカっ正直に表現するとグループ魂になるんだろうな、と思わせる1枚。ロックだ、パンクだといくら格好をつけても、所詮男は女にもてたいのだ。特にヘビメタやハードロックの世界では、セクシーなお姉さんは必須アイテムだし、そんな男の本音の叫びを演劇仕立てにして爆裂音楽で表現している。男の欲望が前面に出され、決して付き合いの浅い彼女と聴く音楽ではなく、お互いの煩悩を知り尽くした間柄であったとしても覚悟を決めて聴かないと悲惨な結果を生んでしまう作品ばかりだ。
だって彼女に“女体盛り”って何?って聞か れたらどうする?
先日、僕が新聞を読んでいた時のこと。何気に聞こえた娘たちの会話。「グループ魂って面白いよね。」「頭から火が出てたよね。」
ちょちょちょちょっと待ってくれ。何で小学4年生と3年生がグループ魂なんて知っているんだよ!まさか僕のCDラックからピックアップしたか?そして次の瞬間、新聞の記事に“2005年NHK紅白歌合戦出場歌手決まる”のあとに、グループ魂(初)とあった。うそーーーー!
娘たちに聞いてみると、グループ魂はアニメ《ケロロ軍曹》の主題歌になっている「君にジュースを買ってあげる」という歌がヒットしているらしいのだ。歌番組で彼らを見たといっていた。いつの間にそんなメジャーな活躍をしていたんだ。驚いたぜ。でも、きっと紅白では無難な歌でお茶を濁すのだろうな。そして、心無いファンからは“紅白に出たらおしまいだよ”ぐらいのことを言われて・・・。何だか可哀想になってきた。って勝手に想像すんなよ!
こんなに紅白を楽しみ待つことは近年ないな。
2005年12月16日
花形