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ウルフルズ 10周年5時間ライブ!! 〜50曲ぐらい歌いました〜

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今では当たり前のように関西弁を聞くことができるが、私が高校生の頃は、まだまだ違和感があった。それは、テレビを見ていても今ほど芸人はテレビには出ていなかったし、大阪の放送局が製作するテレビ番組は限られたもので、そういったテレビ番組からしか関西の雰囲気は分からなかったから、どこか異質に映っていた。

関西のテレビ番組は「新婚さんいらっしゃい」「プロポーズ大作戦」「ラブアタック!」といったやたらと恋愛ものに偏ったバラエティー番組という印象が強い。

司会をしていたのも漫才の横山やすし、西川きよしやお笑いタレントの横山ノックや上岡龍太郎で、マシンガンのように関西弁を使う。

関東人からしてみれば、リズムもあって小気味いいし、間寛平のようにヌーボーとしたリズムも面白かった。方言を隠すことなく堂々と話しているところに関東人は静観した。

そんな時に「THE MANZAI」という漫才ブームが起き、一気に関西芸人が東京に押し寄せた。

「俺たちひょうきん族」は関東関西の芸人が入り乱れてお笑いブームを牽引したのだ。

ちょうどこの頃から関西弁が市民権を持ち始め、テレビの情報番組から関西弁が出てきても驚かなくなっていた。島田紳助や明石家さんまが東京で冠番組を持ったことも大きかった。

私が聴いていた音楽で言うと、関西色が色濃いミュージシャンは、憂歌団、上田正樹とサウス・トゥ・サウス、ソーバッド・レビュー、途中から歌謡曲っぽくなってしまったが桑名正博(ファニー・カンパニー)あたり。

彼らは堂々と関西弁で歌を歌い、ラップのように関西弁でまくし立てた。もう関東人からしてみれば、別の言語に聞こえる。同時期に負けじと東北弁で吉幾三が「田舎のプレスリー」なんて騒いでいたが、関西弁のようなビートの効いたリズムに乗る語感ではなかった。

但し、関西弁の歌は関西弁の歌として、構えて聴いていた記憶がある。なんせ、自分では唄うことが出来ない訳だから。

長いドライブの時に聞くCDがある。5枚組。一気に聴く。

ウルフルズ『ウルフルズ10周年5時間ライブ!! 50曲ぐらい歌いました〜』(2003)。

20021225日に渋谷公会堂で開催されたイベントをまるまる録音したアルバムである。今年ウルフルズは結成30年を迎えるが彼らの唯一のライブアルバムである。

1999年にベースのジョン・B・チョッパーが文筆活動に専念するという理由で脱退したが、このライブまでの3年間のライブやレコーディング活動の中でベースを支えてくれたサポートミュージシャンを全員呼び、ベーシスト毎にライブを進めていくという面白い企画(一部アンプラグドステージで、ノンベースで行なわれたパートあり)。

3人のベーシスト(上野イチロー、高橋“Jr”知治、CHIROLYN)が演奏、それぞれのパートの最後の曲は「ガッツだぜ!!」に統一(だから「ガッツだぜ!!」は5回も演奏された)。

そして最後のベーシストとしてジョン・B・チョッパーが登場。観客を興奮の坩堝に陥れた。当の本人は「また、一緒にやりたいなぁ・・・」と肩の力の抜けたコメント。

翌年から正式にメンバーとして復帰した・・・。

 

 49曲とMCがしっかり収録されている長いライブであるが、飽きさせない曲順と合間に入るトータス松本やウルフルケイスケのMCは普段着の関西弁で、近所の兄ちゃんが話すテンションだ。演奏も上手い。良いライブアルバムである。

社会人になりたての頃、大阪に出張した時、大阪の取引先の人に

「にいちゃん、東京の人?なんか、役所の人と話してるみたいやな」と言われたことがある。

仕事の中にも面白さを求めているのかどうかわからないが、関西人の生活の中には必ずボケとツッコミがあり、彼らの最大の侮辱は「おもんない」という言葉なのだそうだ。

こんなことをもし彼らに言おうものなら、中指を立てられたアメリカ人くらい怒り出すか、逆に落ち込むのだそうだ。

 関西弁が市民権を得て、関東人でも普段の言葉で「めっちゃ」を多用するようになった今だから、この関西弁丸出しのMC入りのライブアルバムを違和感なく聴くことが出来るのだろう。

私の高校時代にこのアルバムが出ていたら、関西弁に気を取られて歌が入ってこないかもしれないな。

20221017

花形


by yyra87gata | 2022-10-17 16:16 | アルバムレビュー | Comments(0)