<   2018年 08月 ( 2 )   > この月の画像一覧

d0286848_19051555.jpg
 音楽映画はあらかた観て来ているが、どうしても観ることができない作品がいくつかある。ましてや、サウンドトラック盤は所有しているという間抜けな感じで・・・。

その一つが1978年作品『FM』である。

私は中学生当時、ミュージックライフ誌の記事でこの作品を知ったのだが、「ロスアンゼルスのFM放送局を舞台にした映画で、ゴキゲンなラインアップで我々を楽しませてくれる」と記されていたのよ。

ゴキゲンなラインアップとは・・・

2枚組みのアルバムだったが、

1枚目

1. FM

(スティーリー・ダン)

2. ナイト・ムーヴス/Night Moves

(ボブ・シーガー&ザ・シルヴァー・ブレット・バンド)

3. フライ・ライク・アン・イーグル/Fly Like An Eagle

(スティーヴ・ミラー・バンド)

4. つめたいお前/Cold As Ice

(フォリナー)

5. ブレイクダウン/Breakdown

(トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ)

6. バッド・マン/Bad Man

(ランディ・マイズナー)

7. 駆け足の人生/Life In The Fast Lane

(イーグルス)

8. ドゥ・イット・アゲイン/Do It Again

(スティーリー・ダン)

9. リド・シャッフル/Lido Shuffle

(ボズ・スキャッグス)

10. 宇宙の彼方へ/More Than A Feeling

(ボストン)

2枚目

1. ダイスをころがせ/Tumbling Dice(Live)

(リンダ・ロンシュタット)

2. 私はついてない/Poor Poor Pitiful Me

(リンダ・ロンシュタット)

3. リヴィングストン・サタデイ・ナイト/Livingston Saturday Night

(ジミー・バフェット)

4. ギャンブラー/There's A Place In The World For AGambler

(ダン・フォーゲルバーグ)

5. 素顔のままで/Just The Way You Are

(ビリー・ジョエル)

6. イット・キープス・ユー・ランニン/It Keeps You Runnin'

(ドゥービー・ブラザーズ)

7. きみの笑顔/Your Smiling Face

(ジェイムス・テイラー)

8. この人生に賭けて/Life's Been Good

(ジョー・ウォルシュ)

9. ウィ・ウィル・ロック・ユー/We Will Rock Yo

(クイーン)

10. FM(リプリーズ)/FM Reprise

(スティーリー・ダン)

どうです!このラインアップ!

1978年当時のベストヒットUSA状態です。

お金の無い中学生にしてみたら、こんなお得なアルバム・・・すぐに購入しました。映画も観ていないのに。ま、そのうち日本でもやるだろうな、なんて思いながらアルバムを買った記憶があります。

で・・・全然来ない。ビージーズとピーター・フランプトンがビートルズの曲を使ったゆる~いミュージカル映画『サージェント・ペッパーズ』が封切られたり、ジャズミュージカルの『ニューヨーク・ニューヨーク』や『オール・ザット・ジャズ』なんて作品もあったのに、何故かこの『FM』はいつまでたっても封切られることはなかった。涙。

だから、アルバムだけ聴いている。

このアルバム、ただのコンピレーションではありましぇん。多分、映画の中での演出があると思うのですが、リンダ・ロンシュッタットの「ダイスをころがせ」と「私はついていない」の2曲はライブ収録なのでありまして、アタシは小躍りして喜びました。レア音源でしょうが!

d0286848_19060240.jpg

タイトル曲の「FM」だってスティーリー・ダンの書き下ろしですかんね!

こりゃ、力入ったアルバムですよ、今思えば。

でも、なんで映画やらんのかね。

アメリカでこの映画を観たという人と話したことがあるんだけど、相当つまらないコメディ映画で、観るに値しないと笑いながら言ってたな~。

そんなに酷いなら、怖いもの見たさで観てみたい。

音楽は最高なんだけどね~。

2018年8月24日

花形


[PR]
by yyra87gata | 2018-08-24 19:06 | アルバムレビュー | Comments(0)
d0286848_10044061.jpg

洋楽で女性ヴォーカルといえば、シンガーソングライターであるキャロル・キングやジョニ・ミッチェルを好んで聴き、カントリーからロックまで幅広い表現力といえばリンダ・ロンシュタットがお気に入りだった高校時代(1980~1982)の私。ついでに言うとエミルー・ハリスなんて好きだったね~、カントリー歌手なんだけどさ。

で、女性ロックヴォーカリストというと、当時は相変わらずジャニスの亡霊がつきまとっていて、ベッド・ミドラーが天性の歌の上手さを引っさげて『ローズ』(1979)なんて映画で具現化してしまったからまさにダメ押し。伝説を次世代に引き継いでしまった。

ジャニスはヴォーカリストというより生き方も含めたロックスターなんだけど、ブルースを基調としているから1980年代には重い音だったね。

そんな中で1980年代は始まっていくんだけど、マドンナやマライヤ・キャリーの流行歌は町中に溢れ、たまにスザンヌ・ベガやトレイシー・チャップマンのような朴訥な表現でアコースティックギターを鳴らしても、彼女らのメガセールスの波にかき消されてしまう。グラミー賞の常連であるパット・ベネターが叫んでも、負けじとクリッシー・ハインドはエレキギターをかき鳴らしてテレキャスターの売上に貢献するだけ。ベリンダ・カーライルやハートのウィルソン姉妹が華やかな表現で楽しませてくれたかと思うと、チャラけたやつだと思っていたシンディーが「Time after time」なんて呟くからびっくりもする。もう、一瞬のうちに時は流れ、次から次へとニュースターが入れ替わってカオスもいいところ。こんな国取り物語のような音楽地図の中に男性ヴォーカルではマイケルやスプリングスティーン、プリンスといったアメリカチームとライブエイドで見事に復活したクィーンやデュラン・デュラン、FGTHなどのイギリスチームががっぷりよつとなって、様々なロックを奏でていたのだから、ある意味面白い時代だったね。

そんなごちゃごちゃとした1980年代にロックスターのバックコーラスなどで下積み生活をし、31歳の高齢でデビューしたシェリル・クロウは1990年代に飛び出した女性ヴォーカルで一番輝いていたのではないか。

1990年代はニルバーナやオアシス、ベックといったグランジやブリットポップが台頭してきており、かたやジャミロクワイのようなダンサブルなアシッドジャズが最先端の音楽となった。そんな時に、アコースティックギターをかき鳴らしながら、脱力系のビートで日常を淡々と表現したファーストアルバム『チューズデイ・ナイト・ミュージック・クラブ』(1993)は翌年にアルバム内の「オール・アイ・ワナ・ドゥ」のヒットを生むまでじっくりじっくりセールスを伸ばした。あたかもシェリル・クロウ自身のデビューになぞらえるように・・・。そして、それは、翌年のグラミー賞で最優秀レコード賞、最優秀新人賞、最優秀女性・ポップ・ヴォーカル賞の3冠を受賞という形で実を結ばれることとなった。33歳の新人でありますな。

では、なぜ彼女が売れたのか。

この人、大学卒業して、24歳の時には1986年のマイケルのツアーのバックコーラスをやってたんだよ。コーラスガールとして来日だってしている。その後もスティービー・ワンダーとかベリンダ・カーライルとかドン・ヘンリーのバックコーラスを努めている。だから、相当音楽的に優れている人なわけだ。で、1990年にはA&Mレコードから名プロデューサー、ヒュー・パジャムの手でメジャーデビューアルバムを制作したんだけど、出来に対してシェリル・クロウは「良し」としなかったのよね。で、お蔵入り。やっぱり長いこと下積みした後での最初の1枚だから妥協したくなかったんだろうね。普通なら「あたしもとうとうメジャーデビューよ!」なんつって浮かれてしまうのだと思うけど・・・。

それとも相当酷い出来だったのかね。ま、いいか。

で、プロデューサーもお友達に代えて、『チューズデイ・・・』を作るわけだ。

まぁ、型にはまったアルバムではないし、その頃の音楽の中で彼女の得意なカントリー色も出しながら気楽に聴くことができるアルバムとして輝き続けるアルバムとなった。

そう、もともと彼女はカントリー歌手なんだよね。「アメリカの心」を大切に歌い継いで行きたいんだろうから、デビューアルバムでA&Mがヒュー・パジャムをプロデューサーにしたことが大間違いなんだよな!だってイギリス人でポリスやフィル・コリンズやデビッド・ボウイのプロデューサーであるヒュー・パジャムじゃアメリカのカントリーを扱えるわけないじゃん。フィドルの音とか「シンセで作ればいいんじゃね!」とか言いそう。知らんけど。

シェリル・クロウは2012年に良性ではあるが、脳腫瘍を患っていることを発表した。2006年には乳がんも経験している。

先日のインタビューでは昔のような破天荒な生活を改め、乳がんを患ってからは養子を2名受入れ、母として真面目に生活をしていると言う。

そして、来年にアルバムを発表すると宣言し、スティービー・ニックスやキース・リチャーズ、ドン・ヘンリー&ジョー・ウォルシュとのコラボも予定されているとのこと。

そんな豪華なアルバム、待ち遠しいことこの上ないが、彼女の口からはショッキングな言葉も・・・。

「このアルバムが最後になると思う」

引退の名言は避けているようだか、気になるところである。まだ、56歳だし!

この人、歌っているときかっこいいんだよね。ビッグネームと並んでも見劣りしないっつうか。もっともっと輝ける人だよね。ギター持ったって、ベース弾いたって様になるし。

で、病気になっちゃったんなら無理せず、片意地張らず、やりたいことをやればいいのだ。昨年発表した『ビー・マイセルフ』(2017)もデビュー時のエンジニアと一緒に作ってたみたいだし。

なんか、生き急いでいる気がするんだよね。「ニューアルバムは来年発表」なんて言わず、もっとゆっくりゆっくり作ればいいのにね。

 ファーストアルバムのリラックスした雰囲気が今の歳で出せれば、今までの生きてきた糧が音となって凄みも加わる気がするね。

d0286848_10074409.jpg



2018/08/10

花形




[PR]
by yyra87gata | 2018-08-10 10:10 | アルバムレビュー | Comments(0)